wrapper.ping.alert.<x> プロパティ群の概要

Wrapper は、JVM モニタリング(監視)の1つの手段として、ping システムの仕組みを利用しています。 Wrapper から ping を送信して、JVM からの応答を待ちます。 もし[wrapper.ping.timeout]プロパティで設定した時間内に応答がなかった場合、Wrapper は「JVM がフリーズしている」と判断して、JVM を強制的に終了して再起動します。

ping システムは、わりと信頼性が高いですが、 ディスクスワッピングの高い負荷や他のプロセスがリソースを食いつぶしている場合などの一部のケースで、 単に一時的に応答が遅延している場合でも、Wrapper が内部的に「JVM がフリーズしている」と判断することがあります。 JVM がリクエストに応答できない状況であるため、原因を問わず、これは明らかに良くない状況です。 しかし、このケースでは JVM の再起動ではなく、少し長めに待機して待つのが良いかもしれません。

もし、[wrapper.ping.timeout]プロパティ の待機時間を単純に延ばすと、不要な再起動は発生しにくくなりますが、 同時に、Wrapper もまた、本当のフリーズに対しての感度が鈍くなります。 しかし、ping 応答遅延がどの程度なら一般的なのか、あるいは、どのくらいの余裕の時間を考慮すればいいのか、分かりません。

wrapper.ping.alert.threshold プロパティ

対応バージョン :3.5.16
対応エディション :プロフェッショナル版スタンダード版コミュニティー版
対応プラットフォーム :WindowsMac OSXLinuxIBM AIXFreeBSDHP-UXSolarisIBM z/OSIBM z/Linux

このプロパティには、警告メッセージをログ化する「しきい値(秒数)」を設定します。 JVM からの ping 応答が「しきい値(秒数)」よりも長い時間がかかった場合、Wrapper がその警告メッセージをログ化します。

Wrapper バージョン 3.5.21 より、Wrapper のプロフェッショナル版では、 「しきい値(秒数)」を超えるとすぐに jvm_ping_slow イベントを発生し、 ping 応答を受信したときに jvm_ping_response_slow イベントを発生します。

デフォルト値は、ping 応答待機のタイムアウト(時間切れ)の4分の1の値(秒数)です。

プロパティ値を「0 (ゼロ)」に設定すると、警告をログ化しません。

設定例:
wrapper.ping.alert.threshold=1
スワッピング負荷による ping 応答遅延のログ例:
wrapper  | Pinging the JVM took 4 seconds to respond.
wrapper  | Pinging the JVM took 9 seconds to respond.
wrapper  | Pinging the JVM took 10 seconds to respond.
wrapper  | Pinging the JVM took 6 seconds to respond.
wrapper  | Pinging the JVM took 2 seconds to respond.

wrapper.ping.alert.loglevel プロパティ

対応バージョン :3.5.16
対応エディション :プロフェッショナル版スタンダード版コミュニティー版
対応プラットフォーム :WindowsMac OSXLinuxIBM AIXFreeBSDHP-UXSolarisIBM z/OSIBM z/Linux

このプロパティには、ログファイルに記録する ping 警告メッセージのログレベルを設定します。

デフォルト値は「STATUS」です。 可能な値は、「コンソール出力のログレベル」や 「ログファイルのログレベル」などと全く同じです。

設定例:
wrapper.ping.alert.loglevel=STATUS

参照: ping

参照: ログレベル