概要:共有スタートアッププロパティ

この[wrapper.share<n>.startup.*]プロパティ群では、 基本的に共有マウントに失敗した場合の Wrapper 動作を設定します。

<n> コンポーネント部:

プロパティ名の「<n>」コンポーネント部には、 「1」からカウントアップしていくインテージャー(整数値)のナンバリング数値を入れて指定します。 デフォルトでは、連番であり欠番で飛ぶことはないはずです。 [wrapper.ignore_sequence_gaps] プロパティで、シーケンス内でギャップ(途切れ)検索を「許可する/許可しない」を任意に設定にすることができます。

wrapper.share.<n>.startup.failure プロパティ

対応バージョン :3.5.0
対応エディション :プロフェッショナル版スタンダード版コミュニティー版 (未対応)
対応プラットフォーム :WindowsMac OSX (未対応)Linux (未対応)IBM AIX (未対応)FreeBSD (未対応)HP-UX (未対応)Solaris (未対応)IBM z/Linux (未対応)

このプロパティには、一般エラーが起きた場合の Wrapper 動作を定義します。 ただし、下記の「「premapped」エラー(詳細下記参照)」の場合を除きます。

ユーザーは、Wrapper に以下のアクションのいずれかを実行するように指定できます。

  • [SHUTDOWN] : Wrapper がネットワークドライブをマウント(割り当て接続)できなかった場合、シャットダウンする
  • [BACKGROUND] (ver. 3.5.52 から): プロセスをバックグラウンドで実行して JVM を開始しますが、バックグラウンドでのマウント(割り当て接続)の試行を続行する
  • [CONTINUE] : JVM を開始して、マウント(割り当て接続)試行を停止する

デフォルト値は「BACKGROUND」です。

設定例:
wrapper.share.1.startup.failure=CONTINUE

注意

Wrapper ver. 3.5.52 以前では、デフォルト値は「CONTINUE」でした。

注意

共有をホストしているリモートマシンが接続されているが、要求されたマウントポイントが存在しない場合、 「ネットワークパスが見つかりません (エラーコード0x35)」というエラーが発生する可能性があります。 ただし、システムが起動中で、まだ名前解決の準備ができていない場合にも、同じエラーが発生する可能性があります。 これら2つの問題を区別することはできないため、Wrapper はこのエラーを 起動時の一時的な問題として扱い、バックグラウンドで共有をマウントしようとする第2フェーズに入った後は 永続的な問題として扱います。

wrapper.share.<n>.startup.premapped プロパティ

対応バージョン :3.5.0
対応エディション :プロフェッショナル版スタンダード版コミュニティー版 (未対応)
対応プラットフォーム :WindowsMac OSX (未対応)Linux (未対応)IBM AIX (未対応)FreeBSD (未対応)HP-UX (未対応)Solaris (未対応)IBM z/Linux (未対応)

警告

バージョン 3.5.52 以前は、デフォルト値は「CONTINUE」でした。 デフォルト値は「SHUTDOWN」に変更されました。以下の詳細をご覧ください。

このプロパティには、ネットワークリソースが既に存在している理由で、 共有をマウント(割り当て接続)できなかった場合の Wrapper の動作を設定します。

このエラーによる Wrapper の動作は [wrapper.share.<n>.startup.failure]プロパティ でカバーされませんのでご注意ください。 同じコンフィギュレーションファイルで、Wrapper をコンソールやサービスとして動作させる手段を 提供する目的のために追加された機能です。

バージョン 3.5.52 より、ローカルマシン上のターゲットが既に存在し、 [wrapper.share.<n>.location]で指定されたのと同じ場所にマッピングされている場合、 Wrapper はマウントが完了したと見なし、[wrapper.share.<n>.startup.premapped]の値に関係なく続行します。

飜って、ターゲットが同じでもネットワークの場所が異なる場合は、共有が別のネットワークリソースにマッピングされている可能性が あります (場所がエイリアスを使用していない場合)。 このような場合、アプリケーションが間違った場所で読み取りまたは書き込みを行う可能性があるため、通常はシャットダウンする方が 賢明です。 したがって、この変更に伴い、デフォルト値を「SHUTDOWN」に変更することにしました。

ユーザーは、Wrapper に以下のアクションのいずれかを実行するように指定できます。

  • [SHUTDOWN] :ネットワークドライブが既に存在している場合、シャットダウンする
  • [CONTINUE] :プロセスを続行して JVM を開始する

デフォルト値は「SHUTDOWN」です。

設定例:
wrapper.share.1.startup.premapped=CONTINUE

wrapper.share.<n>.startup.max_retries

対応バージョン :3.5.0
対応エディション :プロフェッショナル版スタンダード版コミュニティー版 (未対応)
対応プラットフォーム :WindowsMac OSX (未対応)Linux (未対応)IBM AIX (未対応)FreeBSD (未対応)HP-UX (未対応)Solaris (未対応)IBM z/Linux (未対応)

このプロパティには、ネットワーク問題に起因するエラーが発生した場合、 Wrapper がネットワークドライブのマウント(割り当て接続)を試みる最大回数を設定します。

もし、指定した最大回数まで、Wrapper ネットワークドライブをマウントできなかった場合、 [wrapper.share.<n>.startup.failure] プロパティで設定した Wrapper 動作が実行されます。

デフォルト値は「5回」の再接続を試みます。 Wrapper は、ネットワークドライブのマウントを5回試みてから、諦めます。

設定例:(5回の再試行)
wrapper.share.1.startup.max_retries=5

wrapper.share.<n>.startup.retry_interval プロパティ

対応バージョン :3.5.0
対応エディション :プロフェッショナル版スタンダード版コミュニティー版 (未対応)
対応プラットフォーム :WindowsMac OSX (未対応)Linux (未対応)IBM AIX (未対応)FreeBSD (未対応)HP-UX (未対応)Solaris (未対応)IBM z/Linux (未対応)

このプロパティには、Wrapper がネットワークドライブをマウント(割り当て接続)の再試行する インターバル(一定間隔)を秒数で設定します。

デフォルト値は「10秒」です。の間隔を置いて再接続を試みま Wrapper は、10秒間の間隔を置いてマウントを再試行します。

設定例:(10秒おき)
wrapper.share.1.startup.retry_interval=10

wrapper.share.<n>.background.retry_interval プロパティ

対応バージョン :3.5.52
対応エディション :プロフェッショナル版スタンダード版コミュニティー版 (未対応)
対応プラットフォーム :WindowsMac OSX (未対応)Linux (未対応)IBM AIX (未対応)FreeBSD (未対応)HP-UX (未対応)Solaris (未対応)IBM z/Linux (未対応)

このプロパテでは、起動後にバックグラウンドでネットワークドライブのマウントを再試行するまで Wrapper が待機する間隔を 秒単位で指定します。 これは、アプリケーションの開始後も Wrapper がマウントを試みる間隔です。 マッピングが成功するか、永続的な障害が検出されるまで試行し続けます。

サービスの開始時に、共有をホストしているサーバーにアクセスできない場合があります。 共有がアプリケーションにとって致命的でない場合は、バックグラウンドでマウントを試行し続けると便利です。

デフォルト値は「60秒」です。 Wrapper は60秒間を待機してからマウントを再試行します。

設定例:(60秒間待機)
wrapper.share.1.background.retry_interval=60

wrapper.share.<n>.background.success.action プロパテ

対応バージョン :3.5.52
対応エディション :プロフェッショナル版スタンダード版コミュニティー版 (未対応)
対応プラットフォーム :WindowsMac OSX (未対応)Linux (未対応)IBM AIX (未対応)FreeBSD (未対応)HP-UX (未対応)Solaris (未対応)IBM z/Linux (未対応)

このプロパティを使用すると、アプリケーションの起動後に共有が正常にマウントされる度に実行する 特定のアクションを指定できます。

これは、例えば、共有が使用可能になったためにアプリケーションを再初期化する必要がある場合などに、JVM の再起動をトリガーするのに役立ちます。

デフォルトのアクションは、何もしない「NONE」に指定されています。

設定例:
wrapper.share.1.background.success.action=RESTART

アクションの完全なリストはアクションプロパティページで確認できますが、 最も一般的に使用されるものは次のとおりです。

  • [DEBUG] :

    デバッグメッセージがログに記録されます。 これは、アクションがいつ実行されるかを理解するのに役立ちます。

  • [RESTART] :

    現在の JVM を停止して、新しい「起動の試み(invocation)」として再起動します。

  • [USER_<n>] (プロフェッショナル版):

    ユーザー定義イベントを発生させます。 イベントには、「メール送信」か、 「外部システムコマンドの実行」か、 どちらかのアクションが可能です。 そのコマンド指定には、クリーンアップ作業や SNMP トラップを起こしたり、何でも可能です。

  • [NONE] :

    何もしません(共有が正常にマウントされると、それ以上のアクションは実行されません)。

wrapper.share.<n>.background.failure.action プロパテ

対応バージョン :3.5.52
対応エディション :プロフェッショナル版スタンダード版コミュニティー版 (未対応)
対応プラットフォーム :WindowsMac OSX (未対応)Linux (未対応)IBM AIX (未対応)FreeBSD (未対応)HP-UX (未対応)Solaris (未対応)IBM z/Linux (未対応)

このプロパティを使用すると、アプリケーションの起動後に共有が永続的にマウントに失敗した場合に実行する 特定のアクションを指定できます。 これには、不正な認証情報またはマウントポイントが含まれます。 ホスト名の解決やサーバーへの接続の失敗などの一時的な問題は、引き続きバックグラウンドで再試行されます。

このプロパティは、バックグラウンドモードで障害が発生した場合の動作を制御します。 この時点で、起動時に共有のマッピングに失敗したにもかかわらず、アプリケーションは既に起動されています。 したがって、一般的に、この時点でシャットダウン(SHUTDOWN)したり、その他の致命的なアクションを実行したりすることはお勧めできません。 このプロパティは、 [USER_<n>] プロパティのアクションを実行したり、 メッセージをログに記録したりするのに役立ちます。

デフォルトのアクションは、何もしない「NONE」に指定されています。

設定例:
wrapper.share.1.background.failure.action=USER_1

アクションの完全なリストはアクションプロパティページで確認できますが、 最も一般的に使用されるものは次のとおりです。

  • [DEBUG] :

    デバッグメッセージをログ化します。 これは、アクションの発生を把握できるのに役立ちます。

  • [SHUTDOWN] :

    Wrapper 同様に、JVM を終了します。 この値を使用するときは注意してください。バックグラウンドでの共有のマウントの失敗は、アプリケーションが既に 実行されているときにいつでも発生する可能性があります。これが発生すると、アプリケーションと Wrapper が停止します。

  • [USER_<n>] :

    ユーザー定義イベントを発生させます。 イベントには、「メール送信」か、 「外部システムコマンドの実行」か、 どちらかのアクションが可能です。 そのコマンド指定には、クリーンアップ作業や SNMP トラップを起こしたり、何でも可能です。

  • [NONE] :

    何もしません(失敗しても何のアクションも実行せず、Wrapper は続行します)。

全部まとめる

共有関連のプロパティを全部まとめた例がありますので参照ください。