概要:共有全般プロパティ

wrapper.share.<n>.*]プロパティ群では、WrapperとWindows共有機能の利用を強化します。

よくある一般的な問題:

Windows XP や Windows Server 2003で、Windowsサービスとして動作しているときの一般的な問題は、 各ログオンセッションごとにドライブレター「A - Z」を割り当てます。 従って、異なるユーザーアカウント下で動作しているプロセス間において、リダイレクトされたドライブでは共有できません。 さらに、サービス(あるいは、自分のログオンセッションで動作しているプロセス)では、 異なるログオンセッションで確立されたドライブレター(ドライブを示すアルファベット)にアクセスできません。 しかしながら、ローカルシステムアカウントで動作しているサービスからマッピングされるドライブレターは、 全てのログオンセッションからアクセス可能です。

<n>コンポーネント部:

プロパティ名の「<n>」コンポーネント部には、 「1」からカウントアップしていくインテージャー(整数値)のナンバリング数値を入れて指定します。 デフォルトでは、連番であり欠番で飛ぶことはないはずです。 [wrapper.ignore_sequence_gaps] プロパティで、シーケンス内でギャップ(途切れ)検索を「許可する/許可しない」を任意に設定にすることができます。

wrapper.share.<n>.location プロパティ

対応バージョン :3.5.0
対応エディション :プロフェッショナル版スタンダード版コミュニティー版 (未対応)
対応プラットフォーム :WindowsMac OSX (未対応)Linux (未対応)IBM AIX (未対応)FreeBSD (未対応)HP-UX (未対応)Solaris (未対応)IBM z/Linux (未対応)

このロケーションプロパティでは、UNC形式(マシン名を含むフルパス)で、 Windows共有やネットワークプリンタなどのリソースのロケーション(場所)を設定します

設定例:
wrapper.share.1.location=\\server\share

警告

このロケーション(場所)の指定に、 トレイリングバックスラッシュ「\」を使用しないでください、 マッピングに失敗します。

注意

このプロパティは必須ですが、デフォルト値はありませんので、必ず自分の環境に合わせて設定してください。

wrapper.share.<n>.target プロパティ

対応バージョン :3.5.0
対応エディション :プロフェッショナル版スタンダード版コミュニティー版 (未対応)
対応プラットフォーム :WindowsMac OSX (未対応)Linux (未対応)IBM AIX (未対応)FreeBSD (未対応)HP-UX (未対応)Solaris (未対応)IBM z/Linux (未対応)

このターゲットプロパティには、ローカルマシン上のターゲットを設定します。上記の [wrapper.share.<n>.location] プロパティで指定したリソースのマッピング先です。

設定例: (ネットワークドライブへマッピング)
wrapper.share.1.target=Y:

注意

このプロパティは必須ですが、デフォルト値はありませんので、必ず自分の環境に合わせて設定してください。

wrapper.share.<n>.type プロパティ

対応バージョン :3.5.0
対応エディション :プロフェッショナル版スタンダード版コミュニティー版 (未対応)
対応プラットフォーム :WindowsMac OSX (未対応)Linux (未対応)IBM AIX (未対応)FreeBSD (未対応)HP-UX (未対応)Solaris (未対応)IBM z/Linux (未対応)

このタイププロパティでは、 接続先のネットワークリソースの種類を設定します。

可能な値は次のとおり:

  • [DISK] - ネットワークドライブを指定します。
  • [PRINTER] - ネットワークプリンタを指定します。
  • [ANY] - WrapperがSpecification Openでリソースのマウントを試みます。

デフォルト値は「ANY」です。

設定例:
wrapper.share.1.type=ANY

wrapper.share.<n>.account プロパティ

対応バージョン :3.5.0
対応エディション :プロフェッショナル版スタンダード版コミュニティー版 (未対応)
対応プラットフォーム :WindowsMac OSX (未対応)Linux (未対応)IBM AIX (未対応)FreeBSD (未対応)HP-UX (未対応)Solaris (未対応)IBM z/Linux (未対応)

このアカウントプロパティでは、ネットワークリソースへ接続する際に、 デフォルトのユーザー名やアカウントではなく、 特定のユーザー名やアカウントを利用したい場合に、そのアカウントを設定します。 もしアカウントが設定されていない場合、現在のWrapperを動かしているユーザー名やアカウントを利用します。

このプロパティにはデフォルト値はありません。

このプロパティで利用する名前づけの慣習ルールは、 [wrapper.ntservice.account]プロパティと同じです。

設定例:
wrapper.share.1.account=domain\user

注意

LOCAL SYSTEM ユーザー下でサービスとして動作しているとき、 現在のところ、異なるアカウントでリモートリソースをマウント(割り当て接続)することはサポートされていません。 そのため、このプロパティは無視されます。(下記のパスワードプロパティも同様)

wrapper.share.<n>.password プロパティ

対応バージョン :3.5.0
対応エディション :プロフェッショナル版スタンダード版コミュニティー版 (未対応)
対応プラットフォーム :WindowsMac OSX (未対応)Linux (未対応)IBM AIX (未対応)FreeBSD (未対応)HP-UX (未対応)Solaris (未対応)IBM z/Linux (未対応)

このパスワードプロパティには、 上記のアカウントプロパティに利用するパスワードを設定します。

もし、アカウントプロパティが設定されていない場合、このプロパティは無視されます。

設定例:
wrapper.share.1.password=<pass>

注意

LOCAL SYSTEM ユーザー下でサービスとして動作しているとき、 現在のところ、異なるアカウントでリモートリソースをマウント(割り当て接続)することはサポートされていません。 そのため、このプロパティは無視されます。(上記のアカウントプロパティも同様)

全部まとめる

次の例は、

  • .location共有ロケーション「\\192.168.0.3\wrapper」
  • .targetネットワークドライブ「Y:」としてマウント(割り当て接続)します。
  • .password指定されたパスワードで、
  • .account指定されたアカウント「sample\user」の委任を利用してドライブのマウント(割り当て接続)を試みます。
  • .startup.premapped: もしドライブ「Y:」が既に割り当て済みの場合、 Wrapperは、「CONTINUE」(継続)を試みます。
  • .startup.retry_interval: もしネットワーク問題に起因するエラーの場合、Wrapperは 10秒の間隔を置いて再試行して、
  • .startup.max_retries: ネットワークドライブのマウント(割り当て接続)を5回試みます
  • .startup.failure: もし、ネットワークに関連しないエラーの場合や5回の再試行後にも続くネットワークエラーの場合、 Wrapperは、「SHUTDOWN」(シャットダウン)をします。
  • .shutdown.unmap: もし、Wrapperがネットワークドライブをマウント(割り当て接続)している状態なら、 Wrapperのシャットダウン時に、ネットワークドライブを「UNMAP(アンマウント)」(切り離し)します。
  • .shutdown.unmap.force: もしシャットダウン時にネットワーク上で開いているファイルがあった場合、 「FORCE」(強制切断)します。
設定例:
wrapper.share.1.location=\\192.168.0.3\wrapper
wrapper.share.1.target=Y: 
wrapper.share.1.account=sample\user
wrapper.share.1.password=samplepass
wrapper.share.1.startup.premapped=CONTINUE
wrapper.share.1.startup.max_retries=5
wrapper.share.1.startup.retry_interval=10
wrapper.share.1.startup.failure=SHUTDOWN
wrapper.share.1.shutdown.unmap=TRUE
wrapper.share.1.shutdown.unmap.force=TRUE