wrapper.timezone プロパティ

対応バージョン :3.3.6
対応エディション :プロフェッショナル版スタンダード版コミュニティー版 (未対応)
対応プラットフォーム :WindowsMac OSXLinuxIBM AIXFreeBSDHP-UXSolarisIBM z/Linux

タイムゾーンプロパティには、Wrapper が実行されるタイムゾーンを定義します。

Wrapper バージョン 3.5.29 から、 IANA タイムゾーン識別子の使用をお薦めします。 これらの識別子は、大陸または海の名前と、そのエリア内の代表的な場所の名前 (通常は最大都市の名前)で構成されます。 例えば、『America/Los_Angeles』は、太平洋時間を示します。 識別子の完全なリストは、こちらから参照できます。

他の可能な値は、協定世界時へのオフセットを指定する「UTC」 (オプションで続きに「+(-)hhmm」を追加可能)、 或いは、Wrapper が実行されているシステムのローカルタイムゾーンを指定する「SYSTEM」です。

後方互換性を保つため、タイムゾーンの略語(MST、GMT、JST など)のリストもサポートされています。 ただし、複数のタイムゾーンを表すために同じ省略形が使用されることがあるため、Java はこれらを非推奨にしました。 同じコードがオペレーティングシステムによって異なる解釈につながる可能性があるため、Wrapper 構成で使用することはお勧めしません。

IANA タイムゾーンを使うと、同じコンフィギュレーションは、どんなプラットフォーム上でも常に同じ時間を生成しれます。

タイムゾーンの定義例:
wrapper.timezone=America/Los_Angeles  # Set the Timezone to Pacific Time
                                      # using a IANA identifier

wrapper.timezone=CET                  # Set the Timezone to Central European Time
                                      # using abbreviation

wrapper.timezone=UTC+0100             # Set the Timezone to UTC+01

wrapper.timezone=UTC-0530             # Set the Timezone to UTC-0530
                                      # (-5 hours and 30 minutes offset to UTC) 

注意

タイムゾーンを変更すると、全てのログ出力(スタンダード版やプロフェッショナル版)のタイムスタンプと、 [wrapper.timer.<n>.interval]プロパティ やメール設定(プロフェッショナル版)に影響します。

Wrapper バージョン 3.5.35 より、 タイムゾーンが設定されている場合、「user.timezone」オプションで JVM へ引き渡されます。 これにより、Wrapper と Java アプリケーションの間で常に時刻が同期されることが保証されます。

wrapper.java.timezone]プロパティを設定することにより、 Java アプリケーションに異なるタイムゾーンを指定することができます。

wrapper.timezone.folder プロパティ

対応バージョン :3.5.29
対応エディション :プロフェッショナル版スタンダード版コミュニティー版 (未対応)
対応プラットフォーム :WindowsMac OSXLinuxIBM AIXFreeBSDHP-UXSolarisIBM z/Linux

IANA タイムゾーン識別子を使用するときにこのプロパティは必要です。 このプロパティは、IANA タイムゾーンデータベースのソースファイルを含むディレクトリーへのパスを指定します。

IANA タイムゾーンデータベースは、世界中の現地時間の変化を考慮に入れて定期的に更新されます。 データベースには、複数のファイル(各地域ごとに一つのファイル)が一つの tar.gz パッケージに纏められており、 IANA(Internet Assigned Number Authority)のウェブサイトからダウンロード可能です。

そのファイルには下記のファイル名が付けられます:

  • africa

    (アフリカ)
  • asia

    (アジア)
  • australasia

    (オーストララシア)
  • europe

    (ヨーロッパ)
  • northamerica

    (北米)
  • southamerica

    (南米)

希望のタイムゾーンを含むリージョン名のファイルを選択する必要があります。 例えば、タイムゾーン『America/Los_Angeles』を使用する場合、「northamerica」ファイルが使用されます。 次に、そのファイルを抽出し、[wrapper.timezone.file]プロパティで指定された配置に保存します。 もし、 「wrapper.timezone」を別の地域にあるタイムゾーンに変更する予定がある場合、同じフォルダに他のファイルを置くこともできます。

JAVA も IANA タイムゾーンデータベースを使用するため、Java アプリケーションが使用する時間は、 同じタイムゾーン識別子を使用する限り、Wrapper の時間と一致します。 ただし、タイムゾーンデータベースのバージョンが JRE リリースで提供されているバージョンと同じであることを確認する必要があります。 JRE リリースごとのバージョンのリストがOracle 社のウェブサイト(英文)より確認できます。

警告

Wrapper バージョン 3.5.44 までは、(IANA tz データベースに含まれる)ファイル 「etcetera」が [wrapper.timezone.folder]プロパティで指定された場所に存在する場合、Wrapper が起動時にハングするという問題がありました。 このファイルを削除することで、問題が解決されました。この問題はバージョン 3.5.45 で修正されました。

wrapper.timezone.use_summer_time プロパティ

対応バージョン :3.3.7
対応エディション :プロフェッショナル版スタンダード版コミュニティー版 (未対応)
対応プラットフォーム :WindowsMac OSXLinuxIBM AIXFreeBSDHP-UXSolarisIBM z/Linux

異なるタイムゾーンで異なるサーバー上で Wrapper を動作させている場合、 システムのタイムゾーンを変更せずに、 ログファイルに同じタイムスタンプを利用したいなど、 時々、いくつかの理由により、夏時間(Daylight Savings)を停止したいことがあるしょう。 このプロパティで、夏時間/冬時間を無効に設定することができます。 [wrapper.timezone]プロパティが設定されている場合、 このプロパティでは、[wrapper.timezone]プロパティが 設定されている場合、Wrapper がタイムゾーン情報を夏時間/冬時間へ自動的に変更するかしないかを設定出来ます。

デフォルト値は「TRUE」です。

設定例:(夏時間/冬時間への変更は有効)
wrapper.timezone.use_summer_time=TRUE

注意

夏時間がないタイムゾーンであれば、このプロパティは無視されます。 また、もしタイムゾーンが「UTC+/-xxxx」で定義されていない場合、Wrapper はこのプロパティを順守しません。 また、[wrapper.timezone]プロパティに 夏時間(Daylight Savings)が定義されている場合も、このプロパティの効果はありません。

wrapper.timezone.debug_timestamps プロパティ

対応バージョン :3.5.30
対応エディション :プロフェッショナル版スタンダード版コミュニティー版 (未対応)
対応プラットフォーム :WindowsMac OSXLinuxIBM AIXFreeBSDHP-UXSolarisIBM z/Linux

このプロパティを使用すると、ログ出力のタイムスタンプに現在のタイムゾーンのオフセットを表示できます。 IANA タイムゾーンを使用する場合は、夏時間が有効かどうかを示す文字が追加されます (夏時間の場合は「D」、標準時間の場合は「S」)。

デフォルト値は「FALSE」で、タイムスタンプはこの追加情報を無い状態で表示されます。

設定例:(wrapper.timezone.debug_timestamps=TRUE のログ出力)
STATUS | 2016/03/16 17:54:44 GMT-07:00 D | wrapper  | --> Wrapper Started as Console

サポートされているタイムゾーン識別子リスト:

IANA タイムゾーン

IANA タイムゾーン識別子の完全なリストについては、このページを参照してください。(英文)

タイムゾーン略語リスト:(非推奨)

NameOffset to UTC0 in hoursDescription
IDLW -12.0 国際日付変更線(西側)
HAST -10.0 ハワイ標準時間*
HDT -9.0 ハワイ夏時間**
AKST -9.0 アラスカ標準時間*
AKDT -8.0 アラスカ夏時間**
YST -9.0 ユーコン標準時間*
YDT -8.0 ユーコン夏時間**
PST -8.0 太平洋標準時間*
PT -8.0 太平洋標準時間*
PDT -7.0 太平洋夏時間**
MST -7.0 山岳部標準時間*
MDT -6.0 山岳部夏時間**
CST -6.0 中央部標準時間*
CDT -5.0 中央部夏時間**
EST -5.0 東部標準時間*
VST -4.5 ベネズエラ標準時間
EDT -4.0 西部夏時間**
AST -4.0 大西洋標準時間*
ADT -3.0 大西洋夏時間**
NST -3.5 ニューファンドランド標準時間*
NDT -2.5 ニューファンドランド夏時間**
GMT 0 グリニッジ標準時間*
WET 0 西ヨーロッパ時間*
WEST +1.0 西ヨーロッパ夏時間**
WEDT +1.0 西ヨーロッパ夏時間**
BST +1.0 英国夏時間**
WAT +1.0 西アフリカ時間
CET +1.0 中央ヨーロッパ標準時間*
CEST +2.0 中央ヨーロッパ夏時間**
CEDT +2.0 中央ヨーロッパ夏時間**
EET +2.0 東ヨーロッパ標準時間*
EEST +3.0 東ヨーロッパ夏時間**
EAT +3.0 東アフリカ時間
BT +3.0 バグダード時間
MSK +3.0 モスクワ時間*
MSD +4.0 モスクワ夏時間**
IRT +3.5 イラン時間*
IRST +4.5 イラン夏時間**
IST +5.5 インド標準時間
ICT +7.0 インドシナ時間
KRAT +7.0 クラスノヤルスク時間*
KRAST +8.0 クラスノヤルスク夏時間**
CNST +8.0 中国標準時間
ULAT +8.0 ウランバートル時間
CIT +8.0 中央インドネシア時間
MYT +8.0 マレーシア時間
SGT +8.0 シンガポール時間
PHT +8.0 フィリピン時間
IRKT +8.0 イルクーツク時間*
IRKST +9.0 イルクーツク夏時間**
AWST +8.0 オーストラリア西標準時間
AWDT +9.0 オーストラリア西夏時間
JST +9.0 日本標準時間
CHOT +9.0 チョイバルサン時間
EIT +9.0 東インドネシア時間
ACST +9.5 オーストラリア中央標準時間*
ACDT +10.5 オーストラリア中央夏時間**
AEST +10.0 オーストラリア東標準時間*
AEDT +11.0 オーストラリア東夏時間**
NFT +11.5 ノーフォーク時間
IDLE +12.0 国際日付変更線東
NZST +12.0 ニュージーランド標準時間*
NZDT +13.0 ニュージーランド夏時間**

* タイムゾーンに夏時間/冬時間あり

** 夏時間/デイライトセービング(Daylight Savings time)

wrapper.java.timezone

プロパティ
対応バージョン :3.5.46
対応エディション :プロフェッショナル版スタンダード版コミュニティー版 (未対応)
対応プラットフォーム :WindowsMac OSXLinuxIBM AIXFreeBSDHP-UXSolarisIBM z/Linux

[wrapper.java.timezone]を使用して、[wrapper.timezone]の値を オーバーライドし、Java アプリケーションに別のタイムゾーンを設定できます。[wrapper.timezone]と同じ値を使用できます。

このプロパティのデフォルトは、[wrapper.timezone]プロパティの値です。

例:
wrapper.java.timezone=SYSTEM

Wrapper バージョン 3.5.50より、[wrapper.java.timezone]が「UTC」の値を使用する(またはデフォルトで使用する)場合、Java と互換性があるように、対応する「GMT」表記を使用してコマンドラインに渡されます。

例:
wrapper.java.timezone=UTC+9
wrapper.java.command.loglevel=INFO
出力例:
INFO   | 2022/05/11 10:11:10 | wrapper  |   Command: "C:\...\java.exe" ... -Duser.timezone=GMT+9 ...

注意

Java コマンドラインに[user.timezone]システムプロパティを追加することによりタイムゾーンは JVM に渡されます。 Java アプリケーションが同じタイムゾーンを使用する子プロセスを作成する必要がある場合は、 [user.timezone]もこれらのプロセスに転送する必要があります。

警告

Wrapper は、TZ 環境変数を使用して内蔵時計を設定します。 バージョン 3.5.46以前では、Java プロセスとその子プロセスは、TZ が Wrapper タイムゾーンに設定された環境のコピーを取得していました。 ただし、Wrapper が夏時間の変更の時間を調整するたびに、TZ は Java プロセスと同期しなくなっていました。 バージョン 3.5.46 以降、TZ の値は、JVM を起動する前に常に元の値に復元されます。