wrapper.backend.socket.bind.timeout プロパティ

対応バージョン :3.6.3
対応エディション :プロフェッショナル版スタンダード版コミュニティー版
対応プラットフォーム :WindowsMac OSXLinuxIBM AIXFreeBSDHP-UXSolarisIBM z/Linux

Wrapper は、バックエンド接続 (ソケットまたはパイプ) を使用して、監視対象の JVM と通信します。 この接続は、通常、Wrapper が JVM を起動する前の起動時にほぼ瞬時に確立されます。

ソケット 接続の場合、ループバックアドレスと特定のポートへのバインドという追加の手順が必要です。 通常、ループバックアドレスは利用可能であり、Wrapper は設定された範囲内で最初の利用可能なポートを選択します。 しかし、一部の構成では、IPv4 アドレスまたは IPv6 アドレス(あるいはその両方)がネットワークインターフェースから一時的に 切り離されることが確認されています。 これは、例えばループバックインターフェースが「systemd-networkd」によって管理されている場合に発生する可能性があります。 「systemd-networkd」が設定の変更を適用する際、インターフェースを一時的に削除して再構成するため、 通常は数ミリ秒のダウンタイムが発生し、その間ループバックアドレスは利用できなくなります。

Wrapper ver. 3.6.3 以降、 バインド中にアドレスが利用できない場合に備え、再試行メカニズムが Wrapper に組み込まれました。 [wrapper.backend.socket.bind.timeout]プロパティは、 この再試行メカニズムの最大継続時間(秒単位)を設定します。 タイムアウトが経過すると、Wrapper は試行を中止し、停止します。

Unix では、デフォルト値は 5です。

Windows では、同様のダウンタイムの問題は確認されていないため、 デフォルト値は「0」秒に設定されており、 再試行メカニズムは無効になっています。ただし、この値は必要に応じて変更できます。

注意

wrapper.backend.type]が 「AUTO」または「SOCKET」に設定され、 ループバックアドレスが SOCKET_IPv4 または SOCKET_IPv6 で利用できない場合、 Wrapper はそのタイプでブロックしません。 代わりに、フォールバック順序「SOCKET_IPv6」、「SOCKET_IPv4」、 「PIPE」(該当する場合)で次のタイプで直ちに接続を確立しようとします。

現在のサイクルでどのタイプも成功しなかった場合、再試行メカニズムは新しいサイクルを開始し、 適切なタイプが見つかるかタイムアウトするまで継続します。これにより、Wrapper の起動時の応答性が向上します。

wrapper.backend.type]を特定のタイプに設定し、このフォールバックメカニズムを無効にすることもできます。

IPv4 および IPv6 ループバックアドレスへのバインドが失敗し[wrapper.backend.type]が 「SOCKET」に設定されている場合に下記の内容がログに表示されます。

INFO   | 2025/08/01 18:34:40.976 | wrapperp | ソケットに名前を割り当てられませんでした。5 秒間待機します。...
INFO   | 2025/08/01 18:34:41.082 | wrapperp | バックエンドサーバーは SOCKET_IPv4 で開始されました。

参照: ポート